記憶は私に愛をくれない。



それでも既に時刻は11時を10分ほど過ぎていた。



食堂には早くもお昼を食べに来る家族連れや生徒で溢れかえっていた。



全校生徒1000人に対して食堂の席350しかないってありえないでしょ。


と今さらなことを言って笑い合う私たち。







不意に、携帯が鳴った。


私の携帯だった。





陸からの着信――――。




杏奈に断ってから電話に出る。
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