記憶は私に愛をくれない。



「美初………。」



呼吸を少し整えてから陸が口を開いた。



「外行こう。ここ、あわないから。」




急いで立ち上がり、食堂を出る。



そしてやってきたのは空き教室。




ここは香緑祭では使われない西棟。





ドアを閉めて陸が私の真向かいに立つ。


< 108 / 159 >

この作品をシェア

pagetop