記憶は私に愛をくれない。
IV,-溢れる想い。 side 陸-
―――――正直驚いた。
愛知から戻る新幹線の中。
海星からの着信がはいった。
時刻は午後7時を過ぎている。
文化祭の初日は終わっただろうな。
席をたって新幹線の繋ぎ目のところに来て携帯を耳に当てる。
『俺さ、美初に告ったよ。』
海星が美初に気があるのはなんとなくわかっていた。
でもまさか、今だなんて……。