記憶は私に愛をくれない。



………って、それどころじゃない。



教室に入って気がついたけど、この学校に私の知っている人はどれくらいいるのだろうか。


最後にあったのは小学6年生の時。



あれから4年という月日が流れている。


4年は長いよ………。


今気づいた、不安ばかりではないか……。


っと思っていたら


「あっれ、美初じゃない?」


ただ今廊下から入ってきた、スカート短めのふんわりと髪にカールをかけた女子に声をかけられた。


少し藍色がかった大きな瞳、小さい鼻と小さい唇…。



「あ!!!夏恋«カレン!!!」


髪は茶色であの頃のスポーツ系とは少し変わってガーリーになったけどわかる、


小学生の頃、毎日のように遊んでいた親友・篠宮夏恋である。


「ほんっとひさしぶりー!!!逢いたかったーー!!!」


涙の再会…まではいかなかったけど、夏恋は今も変わらぬ細身で小さい身体で私を抱きしめてくれた。


「かれーん、声でかすぎ廊下に響いてるよぉ~。」


黒のストレートの髪を指に絡めながらもう1人女子生徒が入ってきた。


「??、、安奈«アンナ?」


一瞬でわかる少しつり目な彼女に問うと、


「え!?えええ!?美初じゃん!なんでいんの!?」


と、大胆に驚かれた。
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