記憶は私に愛をくれない。



『しかしさー、今の陸が好きーとか、過去の俺を好きになんなって言われたって話されたけど、意味わかんないんだよねー。』




「あー、ごめ。たぶん俺と美初にしかわかんねーや。」




『秘密かー?ずりーわ』



携帯の向こう側で笑う海星は無理してるのがバレバレだった。



『とにかくさ、美初はお前しかダメなんだよ。過去がどーあれ、今の陸しかみえてねーんだよ。だから、美初をお前は離すなよ。』




「フッ、お前らしいな。さんきゅーな。」




『いーえ、褒められて光栄です。』



2人で少しだけ笑った。




『でもなー、美初ってあんなにモテるっけ?』



「んー、篠宮のほーがモテそーじゃね?」


『そーだな。』
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