記憶は私に愛をくれない。
やっぱりもと住んでいた地域、知っている人はいるみたい。


「うっわ懐かしいねー、美初と逢えて嬉しいよ。」


柊安奈はお嬢様だけどほんとに優しい、大好きな人。


この仲いいふたりにあえて満足。


「そういえば、陸もこの学校だよ。」


幸せな気持ちに浸っていた私は夏恋の言葉でいきなり現実に引き戻された。


「陸って、遠山??」


「あ、あー、久代、だよ。」


夏恋が眉を細めて少し悲しそうに言った。



「…会った……、さっき。」



「「えーーーー!?もー会っちゃった??」」


盛大に驚く2人。


私、そんなにすごい事言ったかな??


「え、そんな驚くことある??」


2人は目を合わせて、それから安奈が私に尋ねた。


「陸と、、しゃべった?」

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