記憶は私に愛をくれない。


「きれーーーーー。」


波線模様が入り、小さなパールが散りばめられたそれを薬指にはめ手をかざした。



きらきらとパールが輝いた。



「おそろい。」



そう言って陸は自分の左手を出した。



陸の左手薬指にも同じリングがついていた。



「んもーー、陸大好きっ!」



思わず陸に飛びついた。



ヒューーーーーーーーーー、


ドッカーーーーーーーン



花火があがった。





見つめあった私たちはどちらからともなく唇を合わせた。
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