記憶は私に愛をくれない。





「そろそろ、帰る?送るよ。」




陸に言われ時計の針が既に7時を回っていることに気づく。




「あ、そうだね。ごちそうさまでした。」




頭を深く下げ、陸についていき外に出ようとすると





「これからもひとりで不安な時はいらっしゃい。いつでも迎えてあげるからね。それから、私のことは有子«ユウコ さんでいいからね。」




「はい、ありがとうございます。」




もう一度深くお辞儀をして家を出た。
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