記憶は私に愛をくれない。
「あ、それは気にしなくていいから。」
「「え!?なんで!?」」
なぜか私と翔太の声が重なる。
「……別れた…から。………昨日。」
「まじかよ……。」
とここでやっと海星。
「いやー、さ、あっちも仕事ばっかだしこっちも部活とかやりたいことあるし??
てかこんな話してないで早く行こーぜ。混むだけだぞ。」
そー言って若干沈んだ雰囲気を自ら立て直す陸。
ほんと、変なとこでいい人になるのやめないかなぁ??
私たちは連れ立って海岸の会場まで歩き出した。
陸はまだ何かぶつぶつ言ってる翔太を左手で押しながら歩いた。