記憶は私に愛をくれない。
6時くらいになって小腹もまた少し満たしたくなり席を立った。
「俺も行くよ。」
そう言って陸もついてきた。
街はだんだんと暗くなり始め、はなびの打ち上げをあと少しだと知らせているようだった…。
人も、さっきより増えて屋台の間も人と肩をぶつけないように歩くのが精一杯なくらい。
私の少し先をのんびりとした足取りで歩く陸。
のんびりとしていても身長は高いから1歩は大きく、なかなか追いつけなくなってくる。
――痛いっ………………!!!!!
突然右足に痛みが走る。