記憶は私に愛をくれない。
大量に買ったつもりの食材も、前夜祭が終わった時にはほとんど残っていなかった。
「あーーー、売れたねーーー。たいへーん」
「だよなーー、来年はやりたくないよなー。」
疲れをあらわにする私に海星が反応した。
片付けもかなり大変だった。
明日の準備をし終わって生徒たちが帰り出す頃。
教室で準備をせずに座っているのは既に私と海星だけだった。
夏恋は翔太とラブラブしながら帰り、杏奈は3組の友達に呼ばれて最初に行ってしまった。