あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ

せめてもう一杯くらいと思って、課長の分とビールを頼みに幹事の子のところまで行った。

ビールを待つ間、幹事の子がお礼を言ってくれた。
「栗原さん、ありがとうございました」

「いいよ。無事に歓迎されてよかった」
歓迎会が、散々な会にならなくてよかった。

立ち去ろうとしたとき、幹事の子が、栗原さんいいですかと呼び止める。

「えっと、ここだけの話なんですけど、お店の人が、栗原さんと遅れてきた課長に、別にお料理と飲み物を用意してありますからって言われてるんです。よかったら食べて行ってください」
幹事の子は、みんなに聞こえないように、小さな声で言う。

「えっと、いいんですか?ありがとうございます。課長と二人で、後から追いかけますね。二次会場所は?」

「一応、自然な流れで行こうと思って、予約はしてないんです。ですから場所決まったら、課長に知らせます」

「ありがとう」

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