あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ

「はああ」

前途多難だ。

伸ばし伸ばしになってた問題を、宮崎ボスの言う通り、早く片づけなくちゃいけない。


「どうかしたのか?」
心配そうにのぞき込んでくる。


「うん。まだ、早いから遠回りして帰ろうかなと思って」
私の提案に、彼は少し考えてからいいよと頷いた。


少し、辺りを散歩することにした。


当てもなく駅の方に向かって、結局この辺りに全然詳しくないって悟った私は、大人しく恵比寿ガーデンを目指した。
のどかな昼下がりの午後、私は国崎君と二人並んでベンチで座った。


「えっと……」


「いいよ。わざわざ話なんかしなくても」
国崎君は、私の顔を見ながら笑ってる。


「うん」


「お前が、誰のこと好きなのかも分かってるし」



「ごめん……」

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