あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ


その日も一日、たっぷり仕事をして疲れ切って家にむかう。

もうくたくただ。
肉体的にも。精神的にも。


お昼に国崎君と話してから、ずっと彼のことを考えてた。

国崎君は、オフィスに戻り、何事もなかったように仕事をしていた。


確かに、こういう状況に置いたのは、コンピュータだけど、置かれた後の人間関係は、機械とは関係なく一から作り上げていくものだ。

宮崎さんに仲間に入れてもらい、国崎君に教えてもらいここまで来た。

だから、普通に異動で来た時とちっとも変わらない。

そう二人に教えられた。


そう思うと、少し気が楽になったかもしれない。



電車を乗り継ぎ、改札を出てからの道のりが遠い。


途中で、スーパーに寄って今日の食事を買い求める。

毎日、何かに追い立てられてるみたいに感じる。



最近、なんとなくじゃなくて、はっきりと会社の人たちが、高い家賃という犠牲を払いながらも会社の近くに住むのか分かるようになっていた。


一人で、帰宅して寝るまでの間が異様に寂しい。

少しでも、そんなふうに考える時間なんて、短い方がいいのかもしれない。

だからと言って、会社の近くは恐ろしく家賃が高いのだけれど。

< 144 / 240 >

この作品をシェア

pagetop