あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
私は、「人工知能とは」と入力して表示されたパソコンのモニタを見る。
適当に検索を繰り返し、目に留まった記事を読む。
『人工知能とは、人間の知能をコンピュータなどで再現しようとする技術のことだ』
『具体的には、人間の使う言葉を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムなどのことをいう』
『日本政府は、東京オリンピックが行われる2020年に特定のルートを走る無人タクシーの運用開始を目標とする事を発表した』なんていうのもある。
洪水のように押し寄せてくる情報に頭が痛くなる。
こういう情報って読んでいくうちに分かったような感覚に陥るけど、結局何もわかってないのだ。
AIによって、選ばれるはずのない仕事について、会うはずのない人に恋をする。
何もかも、不確かなものの上に乗っかって、すぐにでも足元から崩れていきそうだ。
こんな不安を、課長に打ち明けることもできない。
ただ、ぼんやり課長のストレスは、こんなもんじゃないんだろうなっていうことは、分かる。