あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ

会議中、恵麻ちゃんが積極的に質問をするようになった。

「そこの、運用のポイントですが、個人で考えるだけじゃなくて、グループレッスンもいれた方がいいと思います」
メモするだけじゃ飽き足らず、ホワイトボードの前まで行って、吉沢さんに質問している。

「そうね。それなら、一人ひとり書いたものを元にグループ討論すればいいわね」吉沢さんに認められて、本当にうれしそうだ。


「はい」恵麻ちゃんが、嬉しそうに頷いている。


恵麻ちゃんのエンジンがかかって来た。
やりだしたら、一生懸命やる子なのだ。

会議が長引いて、彼女の元々の仕事が滞るようになったので、業務終了後に私が課長の書類の作成を手伝うことになった。

因果応報。事務処理は、本当に苦手。
今まで、サボった分だけ自分に跳ね返ってくる。

前の職場でも、報告書の提出や、通知しなければならない内容を書面にすることは多かった。

けれど、いつも協力してくれる同僚や部下がいて、私が苦手とすることは、他の人が全部肩代わりしてくれていた。

パソコンが苦手だっていういのは、いいことない。

今後も、こういう事態がめぐって来て書類を作る羽目になるんだ。

「ようっし!」ブラウスの袖をまくって、気合を入れる。

このくらいできなくて、どうする!と喝を入れる
< 152 / 240 >

この作品をシェア

pagetop