あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
課長と駅の近くまで歩いてきた。

具合が悪そうには見えないし、どこかに痛みを抱えているわけではなさそう。

けれど、彼をこのまま帰さない方がいいと思った。


何も話さないけど、心ここにあらずといった感じですぐに考え込む。

そして、やりきれないないと言って、首を振って、すぐに立ち止まってしまう。


「食事は?すんでますか」


「いや。まだだよ」


「なにか、食べましょう。何か、食べたいものありますか?」


「食事は、いいよ。腹が減りすぎて感覚がないんだ」


「何ですか、それ。どうしてそんな無茶するんですか。もう、食べなくてもいいですから、私に付き合ってください」

「これからか?」

「当たり前です。はい。明日はお休みでしょ?」


「ん、そうだな。それなら、ちょっとだけ」
課長は、素直に言うことを聞いてくれた。
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