あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
私も国崎君と食べたばかりで、少々のおつまみとお酒も、少しで十分だ。
課長は、お酒を飲むから、食事の注文はいらないという。
それじゃあ胃袋が持たないと思ったから、勝手に料理を注文した。
課長は、私が無理やり注文したピザと、唐揚げをいくつかつまんでそれで終わりにしてしまった。
課長は、いつも、無口で物静かだった。
今日は、いつにもまして無口だ。
「あんまり、酔えないな」
でも、いつもより、酒量は多いですよ。
「だったら、もうよした方がいいと思います」
「そうなんだろうな。でも、今日は誰かと飲んだ方がよかった。気も紛れないけど、一人でいるよりずっといい」
「そうですか。それは良かったです」
お役に立てて。
「ふうーっ。今日は、もうこのくらいでやめとくよ」
「そうですね」
「ああ」
「家まで、お送りします」
「それじゃ逆だろ?」
課長は、酔ってないからって顔を近づける。
「私は、大丈夫ですから」
課長の腕を引っ張って歩く。
足取りも課長よりしっかりしてるし。
それに、いま、一人になりたくないって思ってるでしょう?