あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
要するに。

何が言いたいかというと、私と藤原課長が釣り合ってないのだ。

吉沢さんを見ていると余計にそう思う。

一人だけでいると、彼は周りと合わせてしまって、それほど差があるって感じない。

でも、藤原課長は吉沢さんといると別の人みたいに良くしゃべる。
仕事のための議論だけじゃない。

単なる雑談でも、私は説明されないと分からないことも多い。

藤原課長は、彼女と並んでいれば違和感がない。

似合ってるんだ。

こういう女性なんだろうな。
彼がいいなと思うのは。

知識も、私のついていけないところで議論ができる。
多分好みの物も、普段してることも、まるでかみ合ってない。

私には、彼のしようとしてることが分からない。
これじゃ、そばにいたって楽しくない。

『愛とか、そういう感情じゃない』
なんだ、彼はっきり私に対しては、性的な欲望だけだって言ってるじゃないの。

急にポロポロ涙が落ちて来た。

でも、自業自得だ。

それでもいいって彼に近づいて、自分のことどう思ってるのかはっきり答えさせたのも私がしたことだ。

だから、彼は私に正直に答えただけ。
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