あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ



「こういうのじゃなく、もっと親しい関係」

「親しいって、例えば?」

「男女の関係」

「えっ?」

「だから、こんな場所じゃなくて、俺の部屋とか、ベッドの上で聞いてもらいたいんだ」

「あのね、ふざけてるなら帰るわよ」


天野君は、私の顔を見て笑い出した。

「可愛いじゃん。希海ちゃん、顔真っ赤だ」

「とにかく、ベッドの上じゃないと話せないっていうなら、ずっとそのまま胸の内にしまってなさい。もう聞かない」


「そんなのないだろ?ここまで聞きだして」

「こっちも、いちいち相談者と寝てたら身が持たないの」
からかわれてるのかな。もう。

「希海ちゃんにとっては、大勢の社員の中の一人だけど、俺にとっては大問題なの。だから、真剣に聞いてくれる人間じゃなきゃ話せない」


「じゃあ、ベッドで聞く以外の方法を考えて」

「付き合ってるやついないなら、ちょうどいいじゃないか。俺にしときなよ」

「冗談はそのくらいにして。ここで聞いたことは、話して欲しくないと言えば、上にも話さないから」

「ふ~ん」
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