あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
上司はクールな完璧メガネ


「えっと、新しいメンバーを紹介する。今日から、人事課人材開発グループで働いてもらう……」
総長がめんどくさそうに言う。

聞いてるほうも、面倒くさくなる。

「栗原希海と申します。よろしくお願いいたします」

いいよどんだ時、私は総長に言われる前に、先に名前を言ってしまった。

皆の反応は、どう紹介しようと下を向いたままで、まるで反応なかったけど。

さっと輪の中の顔を見渡す。よかった。

パッと見て、癖のありそうな人はいない気がする。

「あっ、塩崎君、藤原君は?」

総長が思い出したように言う。


「藤原課長は、会議中です。部長も出席される予定の会議ですけど、お忘れですか?」


「おお……そうだった。私も行かなきゃ。じゃ、藤原君が来るまで、塩崎君に聞いておいて」


総長は、そう言い残すと、私を置いて行ってしまった。
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