あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
パソコンを起動して、資料を見て見ようと思った。

「えっと……」

しばらく考えていたら、塩崎さんがすっと近づいて来た。

「場所分かりにくかったですか?」


「いいえ。場所は、なんとかなったんだけど……」

スケジュールはもういいと。

次は資料なんだけど、どこで、いつ、何をしましたっていう資料じゃなくて、レポートというか、論文みたいなものが、きっちり入ってた。


「どうかしました?」


「んんんん……」
これじゃあ、何していいのかさっぱりわからない。


塩崎さんが、私のPCを後ろからのぞきに来た。

彼女は、塩崎恵麻さん。
会社に入って二年目だ。

大学出て来てるだろうから、私より2つ下の24歳かな。

きれいな顔に、まつ毛がくるんと上を向いている。


年齢は、二つしか変わらないけど、ここでのキャリアは私の方が相当長い。

何しろ、アルバイト時期を入れるとエビスやにいるのは、十年ですから。

大丈夫。そう言い聞かせる。


お願いです。
こういう仕事の出来そうな人が、部下だなんて言われませんように。

恵麻ちゃんは、私が見つめていた資料を、背後から見ている。

彼女は、私が開いている資料を指していった。

「ああ、これ課長の資料だからよくわかりません」


「課長、見ておいてって言ったのこれだよね?」

「はい」


「膨大な量なんだけど、これ全部、今すぐ読まないといけないのかなあ。どれから読めばいいのかな」


「課長に聞いてください」
ですよね……
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