あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
「じゃあ、何かあったら電話かメールで」
課長は、言いたいことだけいうと、バタバタ片づけだけして忙しそうに、出て行ってしまった。
「ん?」
振り返ったら、もういないし。
当然、私にもこれからよろしくとか、大変だけど頑張ってねとか、ねぎらいの言葉もなし。
友好的な笑顔すらなし。
最初だからお昼くらい一緒に食べようとかっていう誘いもなく。
いや、誘われても私の方が、向かい合ってランチする心の余裕ができてないか。
「主任!何ぶつぶつ言ってるんですか?早くここから出てください。ドアの鍵、閉めちゃいますよ」
先輩を、先輩と思わない恵麻ちゃんの声がする。
「わかった。すぐ行く」
私は、ここしばらく感じたことのないプレッシャーを感じる。
これ、どうしよう。
どうにかなる気がしないです。