あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
宮崎っと名乗った女性は、ふわっとした髪をしてバレッタで髪を止めている。
人柄も、話し方も、柔らかい感じの人だ。


「あれ?お昼、一人なの?」

「はい!」
声をかけてもらえた嬉しさで、裏声みたいになる。

そういう、宮崎さんも一人じゃないですか?っと突っ込みたくなる。


久々に、誰かの会話に突っ込みを入れたくなったけど、最初から、飛ばしてはいけない。
宮崎さんが、どんな人なのか分からないんだし。

ここは、慎重に行くべきだ。

「栗原さんもこれから、お昼に行くの?」と宮崎さん

「はい」期待で胸がいっぱいになる。
精一杯声のトーンを押さえる。


「じゃあ、一緒に行かない?」
天の恵みかと思った。

「いいんですか?ご一緒して?」

「もちろん」

彼女にキモいと思われないように、下を向いて、出来るだけにやけた顔を隠す。

彼女に抱きついたりして、変な女だと思われないように自分を押さえる。


よかった。
取りあえず、今日は一人じゃない。
孤独死は避けられそうだ。

孤独な昼休みが一か月も続いたら、それだだけで具合が悪くなりそうだ。

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