あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ

ところが、喜んでほっとしたのもつかの間、不安分子が１人近づいてくる……

エレベーターまだかな。
今すぐ来たら、さっさと乗り込んで、ドア閉められるのに。


「悪い。遅くなって」と、声とともに、彼は後ろから走って来た。

エレベータ待ちをしていた私達に声をかけて来た。

声をかけられたのは、二人だけど、用事があるのは宮崎さんだけのようだ。


昨日のことを思い出した。

やっぱり、勘違いじゃない。
昨日の男性だ。
思い出して、途端に気分が沈む。

「宮崎、何やってんの？」

彼は、私のことを胡散臭そうに見て、さらに迷惑そうに言う。

エレベータに乗ろうと、急いで走ってきたのは、昨日プリンタで邪魔されて、私のことをアルバイトといった総務の国崎さんだ。

何やってんの？っていうのは、

あんた、何でこんなとこにいるの？っていう意味だと思う。

働いてる課も違う、アルバイトのくせに、俺たちの輪の中に入ろうとしてる、そんなふうに思ってるからだと思う。


「お昼、一緒に行こうかと思って誘ってるの」宮崎さん、いい人だ。
私の顔を見て、そうだったよねって聞いてくれてる。

「そう」
国崎さんは、納得、いかねえ。なんでこんなとこにいるんだ？って顔で見た。