あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
国崎君に教えてもらうかわりに、私は、課長からもらった資料を、コピーして国崎君に渡した。

「してもらってばかりじゃ、申し訳ないな」
一応、礼儀だし。お礼くらいしなきゃ。


「別に。気にしなくていいよ」

そう?クッキーでも焼いていけばいい?

ああでも、お菓子作る道具みんな実家だった。


「そうもいかないでしょう?何か奢るよ」


「本当に、いいって。これ、ありがとうな」

「どういたしまして」



二人が帰ったあと、恵麻ちゃんに声をかけられた。

「国崎さんと、いったい、なにを話してたんですか?」
楽しいランチタイムから戻ったはずが、なぜかご機嫌斜めだ。

「なにって仕事の質問だけど」


「そういう事なら、私に聞いて下さい」
どうしたの?

私に聞いてくださいだあ?

どういうことなの?

「はい」
訳が分からないけど、取り合えず謝る。

でも、さっき聞いたら知らないって言ったよね。

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