あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
「ちょ、ちょっとなんで国崎さんが出てくるのよ」
国崎気を君の名前を出して、やっと恵麻ちゃんが顔を上げた。
こういう分かりやすい子、好きだなあ。
やばいなあ、言い方が月島さんっぽくなってきた。
本当は、彼なら去年の様子もよく見てただろうから、その時のこと覚えてないかな思っただけなんだけど。
「塩崎さんに意地悪して教えてもらえないって、泣きつこうかな。
国崎さん優しいから、すぐに相談乗ってくれるわ。
塩崎には俺から言っとくからって、言ってくれるだろうな。
頼りがいがあるんだよねえ、彼」
そばにいて、本人に聞かれたりしてないだろうかと周りを見た。
多分、大丈夫でしょう。
あの人、声が大きいから、近くにいたらすぐにわかる。
「何ですか、それ。子供みたい」
恵麻ちゃん焦れて言う。
「そうかなあ」
でも、恵麻ちゃん動いてくれる理由って、これしかないじゃん。
「それでさあ、今日は私先に帰るけどいい?」
「どうぞ。好きにしてください」
恵麻ちゃんは、早速資料の整理に戻った。