あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
その日の、ランチタイム。
いつもの3人で食べていると、国崎君が突然言い出した。
「お前、引っ越しの片付けはもうすんだのか?」
「いいえ」
国崎君の力のせいで、肩に置かれた手の感覚が残ったままだ。
「手伝ってやるよ」
涼しい顔をして言う。
「いいって。大変だもの。貴重な休みが無駄になっちゃうし」
「どうせ、段ポール箱のままなんだろ?荷物」
まあ、そうなんだけど。
手伝ってくれるのは、ありがたくて涙が出そうなほどうれしいけど、単純に引き受けてもらったら、まずいかな?
と、私は、宮崎さんの方を見る。
「国崎、一人で行く気なの?」
彼女は、私の不安にちゃんと気付いてくれた。
「宮崎も、来ればいいじゃないか」
国崎君、勝手に答えてる。
それって、私の部屋の事ですけど。
「そうねえ、そうしようかな。いいの?お邪魔しても」
「もちろん」