あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ



次の土曜日、私は宮崎さんと、国崎君を迎えに駅に向かっていた。

東京に出てきて、物価の高さと家賃の高さにびっくりした。

だから、会社のある駅から離れた狭いワンルームマンションに慌てて契約した。

納得して、決めた部屋じゃないから、自分の好みではないんだけど。

そういうところにわざわざ来てもらうのは……と思うと気が引けるのですが。

私は、緊張して、ドアを開ける。

「狭いですけど、どうぞ」
と二人を招き入れた。

二人は、そんなこと気にもせずお邪魔しますと中に入って来た。


「ほとんど荷物片付けてないじゃないか」

積みあがってる段ボールを見て国崎君が、遠慮なく言う。

段ボールを隅にやって、床に敷くラグと小さなテーブルを置いたら、休みの日は終わっていた。

「引っ越したばかりだもの。仕方がないよ」いつもフォローしてくれる宮崎さん。


「取り合えず、そこに座ってよ」

ベッドに場所を取られて、三人がやっと座れるスペースしかないですが。

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