あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ

大人しく二人が座ってたのは、出したお茶を飲む間の事だけだった。


一息ついたと思ったら、
「希海ちゃん、手伝うよ」と宮崎さんが言うと、二人とも立ち上がった。

家具を動かしたり、荷ほどきを手伝ってくれたり、ずっと友達でいた人達みたいに働いてくれた。二人のやさしさに嬉しくなった。

とくに、国崎君は、力仕事全般を引き受けてくれた。
重たい段ボールを軽々と運んでくれたり、食器棚の位置をずらしてくれたり。

一人男性がいると重宝するでしょ?と宮崎さんが笑ってた。


お昼は、二人が途中でお弁当を買って来てくれていた。

結局、宅配のピザも取らず、それで間に合わせたから、夜は私が二人にご馳走しようと思った。

見違えるように部屋が片付いて、そろそろお腹もすく頃だと思ったので、

「二人とも、何が食べたい?」と聞いてみた。

「ごめん、悪いけど、うちには旦那がいるから。今日はこのくらいで」と宮崎さんは、そう言って先に帰ってしまった。


「じやあ、あぶれたもん同士、飯でも食いに行くか」

と国崎君に言われて、私と彼は二人で出かけた。
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