あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ

それから、数日して、課長から、突然今日から四人体制になると告げられた。

国崎君が私たちのセミナーに関わってくれるようになったのだ。


「四人って、誰が加わるんですか?」
事情を知らない恵麻ちゃんが、不安そうに課長に質問した。

「ほら、あそこで引っ越し準備してるからわかるだろう?恵麻、机、用意してやれ」

「はい」恵麻ちゃん、国崎君だと分かって驚いて固まってる。

はっきり決まるまで、誰にも言わない方がいいと思って、恵麻ちゃんにも黙っていた。
本人はもちろん、宮崎さんにも。


メガネ課長からは、それ以上の説明はなく、その日の午後に、国崎君は荷物を伴って開発課にやって来た。

「よろしくお願いします」
と、挨拶してすぐに課長に呼ばれて、ミーティングになった。

「いい機会だから」と言って、課長は一方的に、国崎君に向かって話し始めた。

私と恵麻ちゃんは、途中で課長の話について行くのを諦め、ひたすらメモを取ることに集中した。

課長が言っていたのは、国崎君は、ずっと総務にいた。

課長がここに来る前に、担当していた社員に話を聞いたり、課長と私と恵麻ちゃんの橋渡し役になってほしいということだった。
課長の言ってたことは、だいたいこんな事だったと思う。


「彼が入って来てくれたことにより、仕事の流れがスムーズになる。
物事が進むようになるだろう。国崎、今、俺が言ったこと理解できた?」と課長が言うと、

「はい、そういわれるだろうと思って、二人にもわかるようにかみ砕いてメモしたところです」

「ありがとう。助かる」

私は、彼の成功が嬉しかったから自然に小さくガッツポーズが出た。


「なに二人でやってるんですか?」

ただ一人、蚊帳の外に置かれた恵麻ちゃんが冷ややかな反応した。
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