あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
「大丈夫ですか?」
恵麻ちゃんが、心配してお手洗いまで追いかけて来てくれた。
「うん、ちょっと、頭がくらっとしただけ」
私の様子をしばらく見ていた恵麻ちゃんがいった。
「主任?課長となんかあったんですか?」
笑いながら、聞いてくる。
「あっ、えっと……何でもない」
恥ずかしいくらい、顔が赤くなった。
少しくらい。隠せって。
「あったんですね。二人で出かけてから、変だと思ってたんだ。じゃあ、主任って国崎さんのこと、何とも思ってないんですよね」
国崎君のことも、恵麻ちゃんの誤解だけど。
「えっと……」思ってるのか、いないのか、自分で説明できなかった。
こんなのは、きっと反射運動で、勝手に、花粉症のように反応してくしゃみが出るのと同じだ。
くしゃみが出たからと言って、私が課長が好きとは断言できない。
ただ、ちょっと過剰に反応してるだけですぐに収まるのかもしれない。
「大丈夫です。場を乱すようなこと言いません。でも、はっきりしてくださいよね。主任が課長のことが好きなら、国崎さんに気持ちを早く伝えてあげないとかわいそうですよ」
そうなのか?私。
こんなに反応するのは、まばたきが気になるからじゃないのだろうか。