あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
「ああ、折角だから、楽しんできて」
目がしらに当てていた手をそのままこっちに向けて、行ってらっしゃいと付け加える。
「課長は、お留守番?」
「酔っぱらったら書けない報告書がいくつかあって、休み前にどうしても仕上げたいからな」
「でも、一番、ビールが必要だって顔されてますよ」
宮崎さんが言う。
「そうだな。俺もそう思う。終わり次第ってとこかな」
「後からいらっしゃるんですよね?」
課長が、私の方を見た。
「一応な。そのつもりだ」なぜか、ニヤッと笑う。
その、意味ありげに、にやっと笑うの止めて下さいって。
「お待ちしてます」
普段なら言わない言葉の類を付け加えた。