あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
何度か往復したら、テーブル全体に料理と飲み物が行きわたり、幹事の子にも席に着くようにいった。


「お前、何してるの?」

国崎君が空いたお皿を片づけてる私を捕まえて言う。

「人手が足りないの。落ち着くまで手伝ってるだけ」


「ああ?何でそんなことしてんの?」
国崎君が苛ついて言う。

「何でって、座ってたって料理も飲み物も来ないもの」

「そうだけど」

「そんなことより、二人とも、飲み物のお代わりどうする?」
私は、自分がいたテーブルの人たちに注文を取る。

その場を盛り上げるみたいに、あえて大きな声で言う。

「こいつ、プロのウェイトレスだってよ。注文いくつまで覚えられるか試してやろうか?」国崎君が、調子を合わせてくれる。

みんながふざけて、盛り上がった。

俺も、俺もと誘いに乗ってくれた。

「勘弁してくださいよ。もう、引退してますから、3人ずつでお願いします」

「そうは行くか!」
国崎君が、率先して盛り上げる。

「よーし、俺、日本酒!梅サワー、生大ジョッキ!私は、グレープフルーツサワー」
ざっと10人ほどが一度に注文する。

「繰り返しますね。ええっと、ビールが3つ、日本酒、梅サワー……」

この仕事って本当に楽しい。
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