7年越しの、恋。
…多分、思い出したきっかけはあれだ。


数日前に高校時代、彼と付き合うきっかけを作ってくれた彼女、遠藤優花からの連絡だ。

「同窓会するんだって!みなみ行くでしょ?」

あの頃と変わらない彼女。
行くと言う前から、もう行くでしょって…。

「うーん…あんまり乗り気じゃないな」

正直に言えば、高校時代を振り替えるメンバーと会いたくないのが本音。彼はこないだろうけど、思い出すから。

「でも!みなみがこっちから出てあんまり帰ってきてないでしょ?!」

帰ってはいる。実家に行くけど、基本帰っても誰にも言わないし、1泊2日くらいしか泊まらない。



わかってはいる。

わかってはいるのに。

彼となんてもう会わないのに。


会ったら、まだ泣き出しそうな自分がいて。
会いたい反面、会いたくない。

「ちょっとみなみ聞いてる!?」

はっと、優花の声で電話に意識を戻す。
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