7年越しの、恋。
「…え?」

顔を上げると…。

「…久しぶり」

「…うん」

祐司くんがブランコを掴んでいた。
ゆっくり漕いでいたブランコの動きを止める。

目の前に祐司くんがいる。
それだけで胸が一杯で。言いたいこととかぶっ飛んでしまった。


「…みなみ」

彼があたしの名前を呼ぶ。
ずるい。それだけで高校の頃の自分が呼び戻される。

「…祐司くん…」

なんて呼べばいいのか、なんて声をかけたらいいのかと悩んでいたのに、結局昔呼んでたまんま。

何も言えなくて、ただ涙しかでてこない。
下を向いて唇を噛み締める。
ここで泣いても何も変わらないのに。

祐司くんがしゃがんで、一言「ごめん」と言って頭をぽんぽんと撫でた。

もう限界で、ボロボロ涙をこぼしながら
「ほんとだよ…!今まで、なに、してたの、さっ…!」
いろいろ言いたいことあるのに、涙でつっかえてでてこない。
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