7年越しの、恋。
「…うん。みなみが良かったらいろいろ説明させて?」

こくんと頷くと、彼は昔と変わらない顔ではにかんでいた。

彼に腕を引かれ、一緒に歩き出す。

学生時代一緒に歩いた道を、まさか7年たって一緒に歩くなんて思っても見なかった。

「乗って」

近くに止めていた車のドアを開けてくれる。

「…飲まなかったの?」

「うん。車で行ったから、代行とかめんどいし、次の日取りに行くのも嫌だったし」

どこに向かうのかと思ったら、海だった。

地元は海に面していたけど、歩いては遠くて祐司くんとは来たことはなかった。
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