7年越しの、恋。
「みなみは?いまなにしてんの?」

「あたしは、実家を離れた。んで今はふつーにデスクワークしてる」

彼みたいにキラキラしたことは特にしていない。
ちょっと引け目すら感じるくらい。

「…祐司くんすごいね。
今は支える側になってるんだ。なんか眩しいくらいだよ」

「そんなことないよ」

「私なんて、特にやりたいことあったわけじゃないし…」

とにかく就職しないとって気持ちだったから。

「…私なんてっていうなよ」

祐司くんの声が低くなったと思ったら、腕を掴まれて引っ張られた。

え?と思ったら、もう祐司くんの腕の中で。

ドキドキして動けずにいると、

「俺は…みなみが一緒に支えてくれたから、あのリハビリを乗り越えられたんだよ。
結果としては高校野球を続けることは出来なかったけど、あそこでめげてたらもっと動かせない体になってた。
あんとき、先生もいってたじゃん。日常生活の上では支障ないくらいになったって。
…みなみがいなかったら、今の俺は…いないんだよ。だから…私なんてっていうなよ」
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