水色ガールフレンド

中は涼しかった。

冷房もついてなければ、雨が降っている為、窓も開けられていない。

だけどそう感じるのは、この澄んだ音色のおかげだと思う。

その音色を奏でている女の子のことは知っている。

大きな瞳に、長い睫、筋が通った鼻、整った容姿はいつもどこか遠くを眺めているようで人形のように表情が無い。

折れそうなほど細い手足に、雪のように白い肌、艶やかな黒髪、完璧とも言える容姿に加え、モデルのようなスタイルから、入学当初騒がれていた。

この学校で知らない奴なんていないんじゃないかってくらい有名。

だけど…入学して3ヶ月くらい経つ今でも彼女はいつも一人でいて、それは多分…彼女の放つ独特な雰囲気が話しかけづらいからだと思う。

せっかく一緒のクラスになれた訳だし…できれば俺も仲良くなりたい。

けどヘタレな俺が話しかけるなんてことできるはずもなく、授業中や休み時間、気づかれないように遠くからたまに眺めるだけ。




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