水色ガールフレンド
そんなストーカーまがいな情けない自分に呆れながら、しばらくドアにもたれかかり目を閉じて、彼女の演奏に耳を傾けていると、ふいに音が止まった。
不思議に思いながら目を開けると、ピアノの椅子に座る彼女の大きな瞳と視線が絡む。
「あ、あの…、ピアノ、上手ですね、お、俺、その…、全然怪しくなくて、ただ職員会議で、今日は休みだから、だけど早く来ちゃって…でも話、聞いてなかったとかじゃなくて、ただちょっと忘れてただけで…」
突然のことに焦ってしまい、なぜここにいるのか説明しようにも口から出てくるのはまとまらない言葉。
自分でも何が言いたいのか分からなくなりながらもとりあえず話続ける。
くすっ
そんな俺の姿が滑稽だったのか、俺のめちゃくちゃな説明は彼女の小さな笑い声に遮られた。