水色ガールフレンド

初めて見る彼女の笑顔に驚きながらも、やっぱかわいいなー。なんて見とれていると、

「あたし、まだ何も言ってないのに」

彼女の綺麗なサクラ色の唇から放たれる言葉。

歯並びいいなー、なんて俺の視線は彼女の白い歯にいっていて…時間差で彼女の言葉が頭の中で何度も反響する。

―あたし、まだ何も言ってないのに―――…

「……まだ…?」

つい口に出してしまった疑問に両手で慌てて口を塞ぐ。

そんな俺を見て、

「だって、どうしてここにいるか説明しようとしてくれてたんでしょう?」

にっこりと微笑んだ。

あの、めちゃくちゃな言葉でも俺の話の意図が分かるなんて…。

思いがけないことに、もしかして彼女はエスパーなんじゃないかとか、いやこれはテレパシーなのかもしれないとか、様々な奇跡的妄想が俺の頭を支配した。



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