水色ガールフレンド

誰ひとりいない廊下に響くのは、パタパタと踵の潰れた靴音だけ。

走って3分、

辿り着いた先は音楽室。

耳をすませば先程の音色が聴こえてくる。

そのドアを前に彼は乱れた髪や服装を直し、潰れた踵を無理やりに起こして履き直した。

何を思ったのか、完璧とは言えないものの先程のだらしない格好から服装を整え、

ゆっくり、 何度も深く深呼吸をした後、物音を立てないようにそっと慎重にドアを開けた。


ガラッ――



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