それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?
 その鋭い目に逆らえず、燻る感情を押さえ込み、その仕度係は、半ば開き直ってさっきまで体を寄せていたドアから一歩引いた。

「ジュネッタージュ王女、今すぐここをお開けなさい」

 カーラの厳しい声が、鋭くドアを貫くように、ベッドの中に居る王女に届くと、さらにその震えは留まる事を知らなかった。

 絶体絶命のこのピンチに、シーツの中で凍り付いて、今にも心臓が止まりそうになっている。

 ドアを軽くノックして、厳しい声で命令をしても、全く反応がないことに、さっきまで声を荒げていた支度係は、カーラに冷めた目を向けていた。

 何か言ってやりたがったが、プライドの高いカーラがこの後取り乱すことを願って、面白半分に黙って見ていた。

 それでもカーラは態度を変えることなく、落ち着き、いつもの調子で厳しく問い質す。

「ジュネッタージュ王女、それではこのドアをぶち破りますから、そのお覚悟で」

 カーラは側に居た男二人に何かを伝えると、男達は走って準備に取り掛かった。

 ドアの向こうから、パニックに陥ったように突然泣きじゃくる声が聞こえてくる。

 王女がこの上なく怯え、パーティを怖がっている事を感じ取ると、ドアの周りに居た者はそれぞれ顔を見合わせ首を傾げていた。


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