それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?
「ジュジュ王女さまがこんなにかわいらしい方だなんて、皆が知ったらびっくりですわよ」

 エボニーは温かい笑みをジュジュに向けていた。

「私、そんなにかわいいかしら」

「もちろんでございます。明日ここに来られる殿方は皆、一目で気に入られることでしょう」

「やっと自分をさらけ出せるのね。今まで、外に出る時は醜いお面をつけなくてはならなくて、とっても嫌だった。しかも魔術で見るものにあれが私の本当の顔だなんて皆思いこまされるから、すごくショックだった。色んな決まりごとがありすぎて、本当にうんざりしちゃう」

「仕方がございませんわ。それもまたジュジュ様をお守りするためですもの。変な虫がつかないように、お守りみたいなものです」

「お蔭で、私、恋なんてできなかったし、本当の自分の姿を見てもらえなくてすごく嫌だったわ」

「明日からはそんな事はなくなります。きっとジュジュ様のお気に入りの殿方が見つかるはずです」

「だけど、なんだかそれも嫌なの。皆、私の顔を知らないのに、すでに結婚したいと集まって来るんでしょ。そんなの醒めちゃうわ」

「そういう方も大勢いらっしゃいますが、こちらから来て欲しいと頼んで、来て下さる方もいらっしゃるんですよ。とにかく恋の始まりは出会うきっかけからです。これもまた一つの機会として捉えられたら如何でしょうか」

「そうね、エボニーの言う通りね。何がきっかけとなって出会うかわからないものね」

「ジュジュ様はどのような方がタイプでいらっしゃいますか?」
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