それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?
「このリーフの肖像画、よく見たらセイボルにも似てるって思ったの。だけど、所詮絵ね。全く実物と同じ顔って訳にはいかないわね。雰囲気はでてるけど、微妙にそっくりに描けてないわ」

「画家の腕が悪かったんだろう」

「私も肖像画を描いて貰った事があるけど、その人はとても腕のいい絵描きさんだったわ。油絵も上手かったけど、スケッチもサラサラって本物みたいに描くの。何枚か描いてもらったんだけど、その中でも、鏡の前で自分の髪を梳いている絵が一番のお気に入りだったわ。だけどそれだけなくしちゃったけどね」

 バルジはモンモンシューの相手をしながら、聞いていた。

「今度は笑顔の肖像画を描いたらいいのに。私がその画家を紹介したい」

 リーフの冷たい表情を思い浮かべていたために、つい口走ってしまった。

「ジュジュ、リーフの目つきはきつく、それが冷たく見えるかも知れないが、リーフの心は温かい。あれは仕方なく自分をああやって演じてるだけだ。リーフを誤解しないでやって欲しい。色々とリーフも複雑なんだ」

「分かってるわ。全てはセイボルが居るからなんでしょ。二人は仲良くできないのかしら」

「さあ、それは難しいかもしれない」

 バルジもその後はどう答えていいのかわからず、それ以上何も言わなかった。

 後ろのソファーで、男達三人がまだ騒いでいた。

 いつしかそれは、笑い声となってジュジュの耳に届く。

 リーフと接するのは大変そうだが、この男達がいるお蔭でなんとかやっていけそうだった。

 しかし、自分を本当に助けてくれた人は一体誰だったのか。

 本当に見つけられるのか自信がなくなってきた。
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