それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?
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すんなりと屋敷に住めるようになり、部屋も以前使用人が使っていたという部屋をそのまま宛がわれ、ジュジュのここでの暮らしが始まった。
ジュジュの仕事は、炊事、洗濯、掃除と一般的な家の仕事に加え、庭の植物や家畜の世話、その他、雑用など、まさに使用人がするものだった。
四人の男達の手が空いていれば、時々手伝いが入り、皆は全てをジュジュには押し付けたりはしていない。
ジュジュがこの屋敷に来たお蔭で、それぞれ自分達が出来る範囲で分担しながら楽しく屋敷の事を賄っていた。
四人の男達は、時折森へ行き、セイボルとオーガの様子を探る。
リーフとセイボルが対立しているこの森の中では、それぞれお互いの領域があり、どちらもその領域を守ろうとしている。
バランスが取れている時は荒波は立たないが、時々、街から人が入ってくる時にオーガは暴れだす。
セイボルはもちろんだが、リーフも勝手に自分の屋敷周辺をうろつかれるのは腹立たしく、それを追い払うためにマスカート、ムッカ、カルマン、バルジを雇っている。
彼らの表向きはこの森の勇者として、人々を守るヒーロー扱いだが、──実際何人もこの森に迷い込んでオーガに襲われそうになった輩を救ってきた──、男達四人は表面上そう振舞っているだけで、本心は全く違っていた。
世間では唯一オーガに立ち向かえる勇敢な戦士として、街では有名になっている。
街では様々な噂が飛び交い、勝手にいい様にイメージだけが膨らんでいく。
時々そのギャップで男達は面映いが、慣れてしまうと悪い気もしないので、それにあやかっていた。
この日も男達はジュジュに送り出されて、森の中をマスカートとムッカ、そしてカルマンとバルジの二手に分かれて巡回していた。
「なんかさ、ジュジュが送り出してくれると、元気がでるもんだな。『いってらっしゃい、気をつけてね』なんて笑顔で言われたら、私はジュジュのために頑張ろう、なんてつい思ってしまう」
「マスカート、それ、新婚の夫の心境じゃないんだから、やめろ」
「ムッカは何も感じないのか?」
「そりゃ、変化はもちろん感じるに決まってる。食事だって美味いし、家の中の仕事はジュジュが大体やってくれるから楽になったし、メリットは沢山ある」
「そういう部分じゃなくて、ジュジュに対してだ」
「そりゃ、ジュジュは女の子だし、かわいいし、よく気がつくし、いい子だ。だからと言って、一緒に住んでるんだ。変な目で見たら失礼だぜ。俺は、一緒に住むものとしてだな……」
「ムッカは意外と硬いんだな」
「そういうマスカートは、なんなんだよ。まだ昔の彼女が忘れられず、女は懲り懲りだって嫌気がさしてるくせに、ジュジュに興味を持ったという事か?」
「正直、自分でもこの感情はなんなのか分からない。ただジュジュが側にいると、癒されるんだ。過去の傷も含めて」
「でも、ジュジュには惚れるんじゃないぞ。ジュジュは過去に助けて貰った奴に拘っている。俺達はその助けた奴じゃないからな」
「おい、今『俺達』って言ったな。結局はムッカもジュジュに気があるけど、自分じゃ無理だって思ってるってことだな」
「おい、マスカートも本音でてるぞ、結局は惚れかかってるんじゃないか」
それから二人はどちらも隠すことなく、ジュジュに対する気持ちを正直にぶつけ合った。
どうする事もできないが、この時はジュジュが側に居て一緒に生活することだけで満足だった。
すんなりと屋敷に住めるようになり、部屋も以前使用人が使っていたという部屋をそのまま宛がわれ、ジュジュのここでの暮らしが始まった。
ジュジュの仕事は、炊事、洗濯、掃除と一般的な家の仕事に加え、庭の植物や家畜の世話、その他、雑用など、まさに使用人がするものだった。
四人の男達の手が空いていれば、時々手伝いが入り、皆は全てをジュジュには押し付けたりはしていない。
ジュジュがこの屋敷に来たお蔭で、それぞれ自分達が出来る範囲で分担しながら楽しく屋敷の事を賄っていた。
四人の男達は、時折森へ行き、セイボルとオーガの様子を探る。
リーフとセイボルが対立しているこの森の中では、それぞれお互いの領域があり、どちらもその領域を守ろうとしている。
バランスが取れている時は荒波は立たないが、時々、街から人が入ってくる時にオーガは暴れだす。
セイボルはもちろんだが、リーフも勝手に自分の屋敷周辺をうろつかれるのは腹立たしく、それを追い払うためにマスカート、ムッカ、カルマン、バルジを雇っている。
彼らの表向きはこの森の勇者として、人々を守るヒーロー扱いだが、──実際何人もこの森に迷い込んでオーガに襲われそうになった輩を救ってきた──、男達四人は表面上そう振舞っているだけで、本心は全く違っていた。
世間では唯一オーガに立ち向かえる勇敢な戦士として、街では有名になっている。
街では様々な噂が飛び交い、勝手にいい様にイメージだけが膨らんでいく。
時々そのギャップで男達は面映いが、慣れてしまうと悪い気もしないので、それにあやかっていた。
この日も男達はジュジュに送り出されて、森の中をマスカートとムッカ、そしてカルマンとバルジの二手に分かれて巡回していた。
「なんかさ、ジュジュが送り出してくれると、元気がでるもんだな。『いってらっしゃい、気をつけてね』なんて笑顔で言われたら、私はジュジュのために頑張ろう、なんてつい思ってしまう」
「マスカート、それ、新婚の夫の心境じゃないんだから、やめろ」
「ムッカは何も感じないのか?」
「そりゃ、変化はもちろん感じるに決まってる。食事だって美味いし、家の中の仕事はジュジュが大体やってくれるから楽になったし、メリットは沢山ある」
「そういう部分じゃなくて、ジュジュに対してだ」
「そりゃ、ジュジュは女の子だし、かわいいし、よく気がつくし、いい子だ。だからと言って、一緒に住んでるんだ。変な目で見たら失礼だぜ。俺は、一緒に住むものとしてだな……」
「ムッカは意外と硬いんだな」
「そういうマスカートは、なんなんだよ。まだ昔の彼女が忘れられず、女は懲り懲りだって嫌気がさしてるくせに、ジュジュに興味を持ったという事か?」
「正直、自分でもこの感情はなんなのか分からない。ただジュジュが側にいると、癒されるんだ。過去の傷も含めて」
「でも、ジュジュには惚れるんじゃないぞ。ジュジュは過去に助けて貰った奴に拘っている。俺達はその助けた奴じゃないからな」
「おい、今『俺達』って言ったな。結局はムッカもジュジュに気があるけど、自分じゃ無理だって思ってるってことだな」
「おい、マスカートも本音でてるぞ、結局は惚れかかってるんじゃないか」
それから二人はどちらも隠すことなく、ジュジュに対する気持ちを正直にぶつけ合った。
どうする事もできないが、この時はジュジュが側に居て一緒に生活することだけで満足だった。