それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?
「何も心配は要りません。大丈夫ですよ。少しぐらい遅れても皆さん待って下さいます」

「ご、ごめんなさい」

 泣き疲れて、喉をやられた声は、いつものかわいらしいジュジュの声ではなかった。

 エボニーはなだめようと、シーツの上からジュジュの体を擦り、安心させようとする。

 そして優しく微笑みながら、そのシーツを捲ったとき、誰しもはっとした。

 シーツの中から、顔を出したのはジュジュではなく、同じ年頃の世話係、グェンだった。

「こ、これは一体」

 エボニーが目を見開いてびっくりしている側で、カーラは表情を変えずに問い質した。

「ジュネッタージュ様はどこにいるの?」

 怯えきりながらも、ジュジュの代わりとなったグェンは息を詰まらせながら答えた。

「お、お城を、で、出て行かれました」

 その言葉でそこにいた者全てが、顎が落ちるほど口を開けて大いに驚いた。
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