それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?
 寝ていると思っていたセイボルは、すでに起きていて静かに横たわっていた。

 トレードマークになっていた長髪はなくなっているが、髪が短くなってもそれはもうリーフでもなかった。

 そこには少し恥かしげにはにかんでるセイボルがいた。

 ジュジュはセイボルに近づく。

 セイボルは益々照れたような、苦笑いになったような顔をして、モジモジしている。

「やあ、ジュジュ」

「セイボル……」

 ジュジュの目から涙があふれ出る。

 そして無我夢中でセイボルに抱きついた。

 セイボルは痛みでうっと呻くも必死で我慢していた。

 リーフはそれを見て、愉快に笑ってはオーガを引っ張って外に出て行った。

 静かにドアが閉まる音が聞こえる。

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