それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

 天空の国が再び見えた時、ジュジュは帰ってきたことを実感する。

 お城を離れていたことが嘘のようでもあり、森の中の屋敷で暮らしたことが夢のようでもあった。

 しかし、セイボルの事を熱く思い、胸を押さえると全てが現実として体が震えてくる。

 大空いっぱいに広がるどこまでも続く希望を抱いて、清々しい笑顔を向けていた。

 また新たな日々が始まる。

 気を引き締め、そして覚悟を決めてジュジュはお城を目指して降りたった。

 お城ではジュジュが居ない間大変であっただろうが、目的を果たした今、ジュジュは胸を張って帰ってきた。

 旅立った場所と同じ草原でモンモンシューから降りた。

「モンモンシュー、本当にありがとう。あなたがいてくれたから、私は自分の夢を叶えられたわ。感謝してもしきれないくらいよ」

「プキュー」

 モンモンシューも楽しい時を過ごしたといいたかったのだろう。

 その瞳は澄んで優しかった。

 モンモンシューは、仲間の居る場所へ飛び立つ。

 自分が体験した冒険の事をすぐにでも話したいのかもしれない。

「モンモンシュー、また後でね」

「プギャー!」

 元気な声が炎と共に吐き出された。

 モンモンシューは自分の住む場所へと戻っていった。
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