それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?
 沢山の男達が集まれば、誰かは王女の好みに適うものもいることだろう。

 容姿端麗な男もかなりその中に混じっては、選り取り見取りの集まり具合だった。

 そこに一際目立っている男がいた。

 背が高く、顔も申し分ないほどに、その中で一番美しくもありかっこいい。

 しかも長髪で、それが輝くほどの金髪ときて、颯爽と豪快に駆けるサラブレッドのように威厳と気高い気品を添えていた。

 ただどこか目元がクールできつい感じもするが、そこに強さと男らしさが強調されて、少なくとも城で働く女達は目が合うとぽっと頬を染めていた。

 好奇心から一人の女がすれ違いざまに名前を尋ねれば、キリリとした笑みで「セイボル」と答えが返ってきた。

 できることなら王女がこの人を選んで欲しいと「頑張って下さい」と応援するものまでいた。
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